笑顔と感動に出会う旅

運動と健康



Life  is  motion

生きていることは、動いている・・・・・アリストテレス





<運動>


運動を適切に行なえば、だれでも運動の効果を得ることができる。きつい運動をすれば効果が出るというものではない 体力には、個人差があるので自分の身体に聞きながら、自分に合った運動量をする
運動の頻度を増やせば、強度や時間を減らし、強度を増やせば、頻度や時間を減らすように、3つのバランス:頻度・強度・時間を調整して、自分に合った運動量を決定していきます。
体力(全身持久力や筋肉)の向上や運動器の機能向上のためには、4メッツ時/週に相当する1回あたり30分以上・週2日以上の運動が最低限必要です。


筋持久力
心拍数が上がらない程度に筋肉負荷をかけ続けるような運動で発揮される体力
全身持久力
運動時に酸素を取り込む能力いわゆる「スタミナ」運動強度が上がっても息切れしない力
柔軟性
筋肉やそのまわりの組織が伸び縮みする力関節の可動域が広い状態
敏捷性
正確には判断し動作するまでの伝達処理能力 「すばしっこさ」
平衡性
バランス感覚・視覚や足の裏圧感覚で水平バランスを保つ
巧緻性
「器用さ」・巧みに動作する能力
筋力・瞬発力
脚力・握力・背筋力といった力の強さが瞬間的に最大のパワーを爆発させる動作



<骨量の維持・向上のためには、>


各身体部位への衝撃や骨に対してのねじれ力が伝わるような運動が効果的です。骨にカルシウムが蓄積されるには、十分なミネラルの摂取と太陽の光を浴びることに加えて、骨に長軸方向にストレスをかける必要があるそのトレーニング方法は、
1)一方の脚を後に下げてつま先立。上体を沈ませるその時前脚の膝は、つま先よりも前に出ないようにする両腕をまっすくに伸ばして手の平を合わせる。
2)1の状態から上半身をゆっくり左右に振ります
3)下半身をしっかりと固定し、顔は正面、腕はしっかり伸ばす その時肘が曲がらないように左右に振りますその時、身体の軸が ぶれないようにする。



<運動強度>


最大心拍数の推測値と安静時心拍数から目標心拍数を求める方法・・・・・カルポーネン法

(220−年齢)−安静時心拍数×運動強度(%)+安静時心拍数=目標心拍数


1)ゆっくりイスに座ってリラックスして1分間の安静時の脈拍を測ります・・・・・・・A
2)220から自分の年齢を引きます(220−(年齢)・・・・・・・B
3)自分の限界の何%のきつさで運動しますか・・・・・・C

40%の運動強度
0.4(体力に自信がない)
50%の運動強度
0.5(ほとんど運動しない)
60%の運動強度
0.6(普段よく運動する)


(B−A)×C+A=目標心拍数

参考:50歳未満100〜120拍/分  50歳以上100〜110拍/分

「やや楽である」のレベルで週に3日〜5日



<年齢・心拍数(拍/分)と自覚症状から、運動強度を判定する方法>


相対的運動強度
強度の感じ方
20歳代
30歳代
40歳代
50歳代
60歳代
その他の感覚
100%
最高にきつい
190
185
175
165
155
身体全体が苦しい
90%
非常にきつい
175
170
165
155
145
無理 息がつまる
80%
きつい
165
160
150
145
135
やめたい 続かない 頑張るのみ
70%
ややきつい
150
145
140
135
125
汗びっしょり どこまで続くか不安
60%
やや楽である
135
135
130
125
120
いつまでも続く 充実感 汗が出る
50%
楽である
125
120
115
110
110
汗が出るか出ないか
40%
非常に楽である
110
110
105
100
100
楽しく気持ちがよいが、物足りない
30%
最高に楽である
90
90
90
90
90
まる物足りない もっと動きたい
20%

75
75
75
80
80

健康づくりのための身体活動基準2013参考資料


注意事項:生活習慣病患者等には、「きつい」と感じるような身体活動は避けた方がよい。「楽である」又は、「ややきつい」と感じる程度の強さの身体活動が適切である。





ねばり強さは、全身持久力として評価され、運動に必要なエネルギー源(糖質・脂肪)と酸素を取り組むことができる呼吸循環機能である最大酸素摂取量の値が大きいほど、全身持久力が優れていると評価されている。
全身持久力は、できる限り長時間、一定の強度の身体活動・運動を維持できる能力である。一般的には、粘り強く、疲労に抵抗して身体を動かし続ける能力。70歳を超える人でも、十分な運動強度とトレーニング期間が維持出来れば最大酸素摂取量は向上する
日常生活で、疲れやすいとか、速く歩いただけで息切れがする方、全身持久力が低下しているまた最大酸素摂取量は、酸素が薄くなると相対的に体力低下が生じる。標高600mで、60ml/kg/分 標高3000mで2割減少する 50ml/kg/分
高齢者では、酸素を消費する筋肉量の減少が、最大酸素摂取量低下への影響が大きい。その結果下肢(太もも)の筋肉に刺激を加えるため 筋肉疲労する。なるべく深呼吸を意識し、できるだけ大きく吸って大きく吐き気出す動作をする
全身持久力をアップさせるには、疲労回復の様子をみながら週3〜4日程度。自分の限界40〜85%程度のきつさで行う 20分〜60分持続させる。


<性・年代別の全身持久力の基準(  )内は、最大酸素摂取量を示す>

下記の表に示す強度での運動を約3分以上継続できた場合は、基準を満たすとされる


年齢
18歳〜39歳
40歳〜59歳
60歳〜69歳
男性
11.0メッツ(39ml/kg/分)
10.0メッツ(35ml/kg/分)
9.0メッツ(32ml/kg/分)
女性
9.5メッツ(33ml/kg/分)
8.5メッツ(30ml/kg/分)
7.5メッツ(26ml/kg/分)
健康づくりのための身体活動基準2013参考資料







3メッツ以上の身体活動(生活活動と運動)


メッツ
活動内容
1EXに相当する時間
3.0
普通歩行 平地67/分 幼い子供歩き 犬を連れて歩く 買い物
20分
3.3
カーペット掃き・フロア掃き
18分
3.8
平地94m/分 やや速歩 風呂掃除
16分
4.0
速歩:平地95〜100m/分 ラジオ体操第一体操
15分
4.5
庭の草むしり・耕作
13分
5.0
平地107m/分 かなり速歩
12分
6.0
ジョギング10分以下と歩行 ゆっくりしたスイミング
10分
6.5
エアロビクス
9分
7.0
ジョギング・背泳・スケート
9分
7.5
約1〜2kgの荷物を背負って山を登る
8分
8.0
ランニング134m/分 クロールでゆっくり泳ぐ約45m/分
8分
10.0
ランニング161m/分
6分
11.0
クロールで速く泳ぐ約70m/分
5分
15.0
ランニングで、階段を上がる
4分
健康づくりのための身体活動基準2013参考資料







3メッツ未満の身体活動(生活活動・運動)


メッツ
身体活動
1.8メッツ
皿洗いをする
2.0メッツ
立って食事の支度をする
2.3メッツ
ストレッチをする
2.3メッツ
ガーデニングや水やりをする
2.3メッツ
動物の世話をする
2.8メッツ
座ってラジオ体操する
2.8メッツ
ゆっくりと平地を歩く

運動強度(メッツ)は、座って1メッツ 立って2メッツ 歩いて3メッツ やや速歩と自転車4メッツ ジョギング6メッツ。また自覚運動強度では、楽に感じるスポーツは、3メッツ やや楽に感じる時4メッツ ややきついと感じる時5メッツというように感じてとります
消費エネルギー(kcal)=( )メッツ×実施時間(時間)×体重(kg)×1.05の公式


健康づくりのための身体活動基準2013 参考資料文献


「健康づくりのための運動基準2006」の改定


1)強度が3メッツ以上の身体活動を23メッツ・時/週行う
(23メッツ・時/週は、1日あたりに換算すると3.3メッツ・時/日であり、中高強度身体活動を3〜4メッツで行った場合 1日50〜60分に相当する) 歩行又はそれと同等以上の強度の身体活動を毎日60分以上行う。歩数に換算すると1日あたり約8.000〜10.000歩く

2)強度が3メッツ以上の運動4メッツ時/週行う。息が弾み汗をかく程度の運動を毎週60分行う

3)65歳以上の高齢者に対しては、強度を問わず身体活動を10メッツ・時/週行う
横になったままや座ったままにならなければ、どんな動きでもよいので、身体活動を毎日40分行う

4)現在の身体活動を少しでも増やす。(今より毎日5〜10分ずつ長く歩くようにする)

5)性・年代別の全身持久力(最大酸素摂取量)の基準値として

男性
40歳未満:11メッツ
40歳〜59歳:10メッツ
60歳以上:9.0メッツ
女性
40歳未満:9.5メッツ
40歳〜59歳:8.5メッツ
60歳以上:7.5メッツ

*参考 10.0メッツの強度の運動はランニングなら167m/(10km/時)速度で3分間以上継続できるのであれば、少なくとも40歳〜59歳男性の基準値に相当する10.0メッツの全身持久力があると言える

6)65歳以上の高齢者の握力の参照値として男性38kg重 女性23kg重また歩行速度74m/分以上(認知症発症リスクが低い)


健康づくりのための身体活動基準2013 「健康づくりのための運動基準2006改定」資料文献


<筋力強化の知識>



運動により筋肉が育つしくみは、いったん傷つけられた筋線維が再生される過程で、以前より大きく育つこと。その際に重要なのが、適切な栄養補給と休息です。
栄養不足や筋肉が補修されていない状態で、トレーニングを続けると 筋肉が育たないので、故障の原因また栄養過剰に摂取すると消費されなかった分は、脂肪として蓄積される。
筋力強化には、負荷を大きく 回数を少なく  持久力強化には、負荷を小さく 回数を多くする

(参考)
1)筋力の向上 1RM  (90〜100%max) 高い強度の負荷で、短い時間で行うと固有筋肉を効果的に増加する
2)筋肥大の向上 3〜15RM (70〜90max) やや低い強度で時間をかけて行う
3)筋持久力の向上 20〜60RM (30〜60%max) 筋持久力を高めるには、筋に十分な血液を供給しながら実施 最大筋力の60〜70%を超えると血流を遮断する






筋力を向上させるトレーニング(レジスタンス運動)について・・・・・・3つの基本運動



参考文献:健康長寿ネット 発達運動学(NHK出版) 運動と健康 (NHK出版) 可動域ストレッチ&トレーニング (西東社)