笑顔と感動に出会う旅

ブヨ・ヤマヒル・マダニ




6月〜9月頃の野山 ブヨ マダニ ヤマヒルにご注意!





ブヨ:関東では、ブヨ 関西では、ブトとも呼ばれる


ブヨ(ブド・ブド):ハエ目カ亜目ブヨ科に属する昆虫
成虫は、約3〜5mmで、透明な羽を持ち 体は黒っぽく丸まったような形をしている。3月〜9月にかけて活動するが特に6月〜7月が活発に活動する。朝や夕方になると活動するが、曇りや雨など湿気が高く、気温が低い場合は、時間には、関係なく活動する。
特に大腿から下腿の部位に注意。症状は、体質に大きく関係するが 患部が赤く腫れ上がり激しい痒みや疼痛、発熱の症状が1〜2週間現れる
(参考)患部の近くに、皮内鍼を張り付けると、痒みや腫れ上がりが緩和しますよ。
<対策>
明るい色の服装「黄色、オレンジなど」また長ズボンを着用。虫除けスプレーやハッカスプレーを用意する。

<ハッカスプレーの作り方>
<材料>                             <作り方>

ハッカ油2ml                       1)スプレー容器にハッカ油2mlをスポィトで入れる。
消毒用エタノール 10ml                2)消毒用エタノールを10mlを入れて、蓋を閉めてガンガン振る
水 90ml                         3)蓋をあけ水を90ml入れた後、蓋を閉じてまたガンガン振って完成です。
スプレーボトル100ml
スポィト 1個



ヤマビル(ヤマヒル)


ヤマヒル(ヤマヒル):顎ヒル目 ヒルド科のヒルの一種
<形態>
体色は、本体が濃い茶色をしており、背面には黒色の縦筋が3本あります。体はゴムのように伸縮自在、頭と尾部に吸盤を持ち、体長は、成体で3cm(伸びると5cm)。ふ化直後の幼体は、0.5cmと爪楊枝の程で、靴下などの荒い綱目はすり抜けられる程小さい
体温・炭酸ガス・振動・光の動きなどに反応し、約1m/分移動する。産卵から1ヶ月後、ふ化し一週間後には、幼虫が産まれ吸血を始める

<多く現れる時期>
吸血行動が活発に見られるのは、4月〜10月 特に6月〜9月頃は、幼虫が多く見られる時期で、25℃前後、湿度70% 雨降りもしくは、雨上がりの蒸し暑い時。 梅雨前線や秋雨前線が発達する時期に多い

<生息地域>
ニホンジカ、イノシシ、タヌキなどの通る獣道や山林の歩道、登山口、山側の登山道の端、足跡や糞のある所、ベンチ等の物陰、キャンプ場の炊事場、トイレ周辺、石灰質の岩場で構成されているアルカリ性の土地で、ジメジメした所を好む
確認されている地域や山:三重県・鈴鹿山脈の北部 御池岳・雨乞岳・霊仙岳・藤原岳・伊吹山など

<ヤマヒルの生態や吸血被害が確認されていない県>
北海道・青森・茨木・埼玉・富山・石川・福井・島根・山口・岡山・大阪府・四国4県・長崎・佐賀
ヤマヒルを運ぶ野生動物(イノシシ・ニホンジカなど)の生息範囲拡大と関係しているので、吸血被害が心配している。

<吸血被害部位>
地面から這い上がってくるので、1)足 2)手 3)首や頭部 4)腹部(臍付近)や背中の被害が多い
2014年6月29日伊吹山で腹部の臍付近に吸盤被害を受けました。吸血された所は、打撲して内出血したような状態でした。

<症状>
ヒルは、唾液内に麻酔成分を含むので、痛みは感じない又ヒルの唾液は、ヒルジンという成分の作用で血液凝固を阻害するため、ヒルが離れた後も、しばらくは、流血が続く。吸血による直接的な感染症の心配は、ありませんが、傷口から細菌類が入ることによる二次感染の注意が必要

<対策>
◎ズボンの裾を靴下の中に入れる
◎靴下は長いもの・網目の細かくて厚いものを
◎上着の裾をズボンに入れる
◎首や肩回りに忌避剤をつけた手ぬぐいやハンカチを巻く
◎木の上から降りてくるので、帽子に忌避剤を付ける
◎軍手の手首に忌避剤を付ける
◎地面に膝や手を付けないようにする
◎地面に置いたものを取り上げる時は、ヒルが付着していないか確認する
◎休憩時間などに腰を下ろす時、周囲にヒルがいないかどうか足踏みしながら確認する
◎30分〜60分ごとに足元を見て吸血されていないか確認する
◎20%濃度の塩水を靴下や、ズボンの裾に浸み込ませる
◎休憩する時は、地べたに座ったりするのは避け、草藪には極力入らないようにする
◎明るい色の服での着用で、這い上がってくるのを早く発見しましょう
◎ヒルは、酸性に弱く、竹酢液、スプレー式エアーサロンパス、にがりの荒塩など靴下に噴射及び擦りつける

<ヤマヒルに吸血されたら>
1)ヤマヒルを取り除く
◎吸盤を剥がすようにして爪でとる
◎塩や消毒用エタノールなどでヒルにかける
◎タバコの火をヒルに押し当てる
◎食酢をかける
◎40℃ぐらいのお湯をかける

2)取り除いたヤマヒルを殺す
◎塩や消毒用エタノールなどをかける
◎ディートの成分の入った虫よけスプレーをかける
◎煙草やライターの火で焼く
◎ヤマヒルをハサミで切る


<注意>
ヤマヒルのヒルジンの影響で、かさぶたができにくく、ちゅっと引掻いたり、お風呂などでふやけた時に出血しやすい
ボィズンリムーバーで、傷口に残ったヒルジンを排出すれば、傷の治りを早めることが出来ます。登山後は、すぐ洗濯や干すなりする。

参考資料:ヤマビル研究会ホームページや神奈川県ホームページより



マダニ


マダニは、世界中に800以上の種が知られています。そのうち日本には、47種生息しています。
節足動物門ークモ目ダニ目マダニ亜目マダニ科に属するダニの総称
野山の草むらに生息し、シカ、イノシシ、野ウサギなどの野生動物が出没する環境に多く生息している。発生する二酸化炭素を感知して、飛びつき血液を吸う吸血昆虫である。その際に注入される様々な分泌液や細胞が感染症やアレルギー症状を引き起こす。背中が硬く、甲虫のような形で、黒、濃い茶色をしている。春から秋(3月〜11月)にかけて活動する5月〜8月に特に活発に活動する。

<マダニの吸血法>
鋭いあごでかじり皮膚を切り裂き、そこから血液を吸血する方法を用いる。歯を食い込ませることで頭部を固定して降り落されないようにする為、無理に引き剥がすと食い込んだあごや頭の部分だけが、残ってしまい感染症や化膿することがあるので、無理に引き剥がしてはいけない。
皮膚科等の医療機関で、マダニの除去や消毒などを受ける。数週間程度は体調の変化に注意し、発熱等の症状が認められた場合は、医療機関で診療を受けてください。


<マダニから身を守る服装>
◎首には、タオルを巻くか、ハイネックのシャツを着用する
◎ズボンの裾に靴下を被せる
◎シャツの裾は、ズボンの中に入れる
◎ズボンの裾は、長靴の中に入れるか、スパッツをする
◎ボタンのない長袖と長ズボンを着用する
◎早期発見できる黄色や薄い緑など明るい色を選んで着用する


<マダニから身を守る方法>
◎生息地の草むらに不用意に入らない事が大事
◎草藪やブッシュと呼ばれる草地を掻き分けて進む道には、注意が必要
◎「ディート(忌避剤)の使かった防虫スプレーを使い、防護手段と組み合わせて対策をする
◎家の中に持ち込まないように、外で確認し、服装に付いてダニをガムテープを使って取り除く
◎野外活動後は、シャワーや入浴して、皮膚に付いていないか見る

<注意>
SFTSウィルスに感染しているマダニに咬まれることで感染する重症熱性血小板減少症候群が確認されている。
2020年5月27日現在SFTS症例の届出地域:九州地域・四国地域・中国地域(鳥取県除く)・近畿地域(奈良県除く)・福井県・石川県など23府県で発生し、60歳以上の患者が多い、5月〜8月に多く発症している。これまでに517人の患者、70人死亡が報告されている
SFTSの主な症状:発熱、吐き気、食欲低下、頭痛、下痢、腹痛、筋肉痛など風邪のような症状です。野山に入って1〜2週間以内に、発熱などの症状がある場合は、医療機関で受診するまた新型コロナウイルスも混在するので、藪や下草刈りされていない山道を歩かない
マダニ対策に関するお問い合わせは、国立感染症研究所昆虫医科学部または、国立感染研究所へ

参考資料:国立感染研究所ホームページより