笑顔と感動に出会う旅

氷河眺望


2013年8月25日 立山の氷河眺望 フィールドウォッチング
立山・剣岳の3つの万年雪が国内初「氷河」と学術的に認められた。(2012年4月1日)
                                               
<日程>
 立山カルデラ博物館8時ー室堂山荘9時50分ー浄土沢圏谷10時40分ー一ノ越11時40分ー雄山山頂13時20分
〜13時50分ー室堂15時40分〜16時ー立山カルデラ博物館17時05分
氷河を発見した飯田 肇さん&福井幸太郎学芸員さんが同行説明

   福井幸太郎学芸員さんのお話
                                             
 <氷河とは>
 重力によって長時間にわたり連続して流動する雪氷体(雪と氷の大きな塊)と定義され、厚い氷体を持つこと、氷体が流れることが条件で、秋になると積雪の大部分は、融け氷体の一部露出してクレパス(割れ目)やムラーン(氷の割れ目に、表面の水流が流れ込みマンホールのような縦穴)といった氷河特有な地形が出現するようになります。
 <認定された3つの氷河>
 *剣岳の三ノ窓雪渓
 厚さ60m長さ1200m 氷体は1ヵ月間最大30cm流動している。1年あたり換算すると約4m
 *剣岳の小窓雪渓
 厚さ30m長さ900m 氷体は1ヶ月間最大30cm流動している。1年あたり換算すると約4m
 *雄山の御前沢雪渓
 上流部 厚さ23m長さ200m 停帯氷
 下流部 厚さ27m長さ400m 氷体は1ヶ月最大10cm流動している。1年あたり換算すると約1m
 御前沢圏谷の末端・標高2500mには、サル股モレーンの存在が確認された

    飯田 肇学芸員さんのお話
                                             
 <万年雪>
冬に積もった雪が夏でも融けきらずに残ることがあります この夏を越して残る雪のことを「万年雪」または、多年性雪渓と呼びます。

 <氷体>
寿命の長い万年雪には、積もった雪の重さで下の雪が押しつぶされ氷の塊が出来ますこれを氷体という。
厚さ30m近くまで成長するとゆっくりと谷や斜面を流れます。

 <岩石氷河>
氷漬けの岩屑が斜面を流れ出し舌状の地形 これは、永久凍土(2年以上0℃以下の温度にある土壌や岩石)が存在する山岳に存在し、かつて厚さ数十mの永久凍土が広く発達する環境であったと考えられている。
内蔵助圏谷や一ノ越の北西・剣山荘周辺には、長さ数百mの舌ベロのような形の岩屑地形が見られます。


                                               
 <氷河の名残>
 氷河が運んだ土砂が氷河周囲に堆積して堤防上の地形が出来ますこれを「モレーン」という
御前沢圏谷の標高2500mに「サル股モレーン」その下に矢尻形モレーン 内蔵助圏谷の標高2500m逆ハの字のモレーンや標高1850m大型モレーンがあります
谷が氷河に削られてUの形になった「U字谷」国見岳と天狗山の間に形成されています。
室堂平や天狗平には、氷河が運んできた礫や砂の堆積物は、溶岩の上にあるだけでなく溶岩の下にもあります
雷鳥台礫層・室堂礫層・ミクリガ池礫層など
氷河が地面をえぐってつくった半椀状(スプーンでえぐったような形)の窪地を圏谷や「カール」という
立山東面には、タンボ沢圏谷・御前沢圏谷・大汝圏谷・内蔵助圏谷・真砂沢圏谷など冬期季節風の風下側にある為、室堂側より積雪量が多く8〜7万年前以降大規模な氷河がくり返し発達して山体を削りこみ巨大な圏谷が作られた

 <山崎圏谷「カール」>
日本の氷河地形研究の礎を築いた山崎直方(やまさきなおまさ)博士の功績を記念して命名された圏谷地形
1945年2月に国指定の天然記念物に指定された。
もう一つ指定されている圏谷は、薬師岳東面に南稜圏谷、中央圏谷、金作谷圏谷、北圏谷の4つも並んでいる。

 <参考>
 内蔵助雪渓は、氷河に近い構造を持つ万年雪で流動があれば氷河認定される。また剣岳付近の池ノ平雪渓も調査中また長野県鹿島槍ヶ岳北峰カクネ里雪渓も調査中です